今回は、SJ30からJA12 まで採用されていたトランスファの大まかなシフトイメージと、主なトラブル二つの説明を軽くw・・・おまけですので。
原則、マニュアルシフトの対象ジムニーを知っている方向けです。
まずは、2WD-H 状態のシフトシャフトの概要イラストです。
このシャフトにフォークと呼ばれる部品がついてギヤーをスライドさせて変速します。
このトランスファでトラブルのキモになるのは、2本のシャフトの間にあるインターロック用のボールと、位置決め用のボールを押すスプリングです。
次は、シフトレバーを手前に引いて 4WD-H にシフトチェンジします。
ここで、インターロック用のボールがフリーになって、リダクションシフトシャフトが移動できるようになります。
ありがちなトラブル、その1
ここで怖いトラブルが、リダクションシフトシャフトを位置決めするスプリングが弱ってきて、リダクションシフトシャフトが勝手に動いてしまう現象です。
下のようになります。
上の図の状態では、シフトレバーはフロントドライブ側 4WD-H にありますが、フリーになったリダクションシフトシャフトがニュートラルの位置に移動してしまい、走行不能に!!
フロントドライブシフトシャフトには、インターロックのボールが入ってしまってシフトレバーを動かすことはできません。
先だっての修理作業同様に、シフトレバーをトランスファから抜く方法で復旧させますが、リダクションシフトシャフトを位置決めしているボールを押すスプリングを交換するまでは、再発の危険があります。
このスプリングは、トランスファ外側のネジ蓋を外すことで簡単に交換することが可能です。
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次は、トラブル無くシフトレバーを 4WD-H リダクション側へ振った場合のイラストです。
この場合も、インターロック用のボールがフリーになって、両方のシフトシャフトが移動できるようになっています。
ありがちなトラブル、その2
ここで起きるトラブルが、先だって修理したフロントドライブシフトシャフトが何らかの理由で動いてしまう現象です。下のようになります。
上の図の状態では、シフトレバーはリダクション側 4WD-H にありますが、フリーになったフロントドライブシフトシャフトが 2WD-H の位置に移動してしまい、FR 状態での走行に!!
リダクションシフトシャフトには、インターロックのボールが入ってしまってシフトレバーを動かすことはできません。
先だっての修理の様に、シフトレバーをトランスファから抜く方法で復旧させますが、スタック状態ではない限り移動は可能ですので、安全な場所に移動してからの対処がお薦めです。なお、安全のためフロントハブは、フリーへ変更してください。
尚、フロントドライブシフトシャフトを位置決めしているボールを押すスプリングの交換は、トランスファの分解が必要です。
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以下、ニュートラル、4WD-L の各部位の作動状態です。
この2ポジションではトラブルは出にくいですが、トラブル1と同じリダクション側のスプリングが弱っていると、4WD-L から ニュートラルへギヤー抜けが頻繁に起こる様になります。
このスプリングは先にも触れた通り、トランスファ外側のネジ蓋を外すことで簡単に交換することが可能です。手元のジムニーでもスプリングのへたりが予想されるので、近日中に交換予定です。
以上、拙いイラストと文章で解説しましたが、心の隅にでも留めていただければ幸いです。